ここから本文です。
日本の技術とノウハウを生かしFRP浄化槽などをダナンで製造する日東浄化槽ベトナム。2011年からダナンに進出し、将来的にはASEAN、中国への展開を目指すという同社にダナン進出の経緯、ダナンの魅力などを伺った。
Nitto Jokaso Vietnam Co., LTD.
2011年にベトナム初の拠点として設立。浄化槽や浄化槽・FRP部品の製造
販売などを手がける。
(2017年4月取材)
―― まず最初に御社のことを教えて下さい。
阿部:弊社は、40年にわたり強化プラスチック技術を強みに、プラスティック製品の製造加工・販売を行ってきました。しかし国内市場が伸び悩む中、今後成長が期待されるASEANや中国の市場に魅力を感じ、海外生産拠点を設けることを検討していました。
―― 国内からアジアの市場に目を向けたとのことですが、なぜダナンを選んだのでしょうか?
阿部:中国と隣接しているベトナムの中でもダナン市は、ASEAN諸国との貿易を考えると、東西経済回廊がタイ・ミャンマーまで伸びていることや国際港、国際空港も市街地近郊にあり、地理的優位な場所であると判断いたしました。また、弊社の納品先はハノイ、ホーチミンに同数見込まれていた為、ベトナムの中心地を選んだことも一つの理由です。
工場外観
管体積層
浄化槽組み立て
―― この点について、実際にダナン市に進出されて、いかがだったでしょうか?
阿部:未だ浄化槽という分野においては、不安定なベトナム経済と法制度の未整備の中で伸び悩むところはありますが、立地条件の良さから他国への輸出が増えたため、当初の目標は達成されました。今後もさらに国内外の需要は増えると考えています。
浄化槽部品積層
大型浄化槽出荷
―― ダナン市の人材はいかがだったでしょうか?
阿部:ダナン市は労働者の確保がしやすく、しかも賃金を低く抑えることができました。
―― 労働者が豊富で、賃金が抑えられる、とのことですが、労働者の質はいかがですか?
阿部:基本的に勤勉であり親日的です。それは日本語を学びたいと思う労働者が多くいることから、学習意欲も高いと感じますが、仕事にやりがいを感じている多くの日本人は過剰な期待をしがちです。仕事よりも親や家族を大切にする文化があり、そこは理解の必要があると感じます。
ダナン市労働組合サッカー大会
―― 優秀で親日的な労働者が豊富、という以外でダナン市のメリットはありましたでしょうか?
阿部:ダナン市は物価が安く、治安や気候も良いため、駐在員の生活環境は非常に良いと感じています。また、市街地から国際空港、港、工業団地、リゾート地、海、山、全てが15km圏内にあること、ハノイ・ホーチミンに比べ渋滞が少ないことも魅力です。
―― 最後に、今後ダナン市への進出を検討されている日本企業にアドバイスをお願いします。
阿部:裾野産業が少なく調達面での問題はありますが、弊社のような自己完結型の企業にとっては魅力ある都市の一つです。教育面・医療面では他の都市に比べ不安を感じるので、家族の帯同の場合は慎重に検討する必要がありますが、近年徐々にその問題も改善されてきました。ベトナム進出を計画される場合は、ダナン市も選択肢の一つに推奨いたします。