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ダナンからオフショアサービスを展開するIF VIETNAM。進出決定の決め手となったダナンの環境やIT開発拠点としてのダナンの魅力などを伺った。
IF VIETNAM CO., LTD
2011年に設立。IT開発やWeb制作などを展開する。
(2017年4月取材)
―― まず最初に御社のことを教えて下さい。
柳田:弊社は博報堂アイ・スタジオグループとしてスタートし、IT開発・Web制作などを日越連携で展開している日系100%企業となります。日本での業務増加に伴い、高度人材の確保を主眼に2011年にダナン進出しました。
―― 日本での業務増加に伴いベトナム進出をしたとのことですが、なぜダナンを選んだのでしょうか?
柳田:ベトナム政府方針として、ダナンをITと観光特区にするとの発表を知り、外資IT企業に対する優遇税制もあり有力候補としました。そして進出決定の最終要因としては、何よりも環境の良さでした。
―― 実際にダナン市ではどのような優遇税制制度を利用されましたか?
柳田:具体的にはIT事業社に対する4年間の完全免税(法人税ゼロ)とその後5年間の優遇税制(法人税5%)を利用しました。またIT取引に関する付加価値税ゼロなどの優遇政策により、法人立ち上げと運営をスムーズに行う事ができています。
―― またダナン市での環境の良さはどのような点で感じましたか?
柳田:海の美しさ、中部ベトナム人の牧歌的優しさが決め手となりました。アメリカのシリコンバレーはもちろん、日本の湘南・鎌倉にも大学、IT企業は多数ありますが、ダナン市は東南アジアでのそれらを想起させる環境と感じました。IT開発拠点は人材と環境が重要な要素なので、ダナンはその面のレベルで十分に価値のあるエリアだと思います。
―― 人材が重要とのことですが、ダナン市の人材はいかがでしょうか?
柳田:ダナン大学などは長らくITエンジニア教育を実施していますが、直近ITエンジニア学生向けに、追加で日本語教育も進めており、IT×日本語人材の育成にも着手しています。
―― このような点は御社にとってどのようなメリットがあったでしょうか?
柳田:現在は大きく3職種での採用が多いですが(エンジニア、日本語人材、デザイナー)、エンジニアと日本語人材の教育レベルは高く・豊富だと感じています。これはダナン及びフエなどでの高等教育の充実が要因と考えており、日本語学科の増設など今後も期待ができます。デザイナーについてはベトナム全体として教育機関が少ないため、社内での教育をメインに行っていますが、フエ大学に美術学部もあるため、今後はそちらとの連携も検討しています。
―― 環境が良く、日本語人材が豊富ということですが、その他にメリットはありましたでしょうか?
柳田:これまで関東圏の方だけにあったダナン市と日本間の直行便が、関西や名古屋、福岡にも就航することが検討されており、日本中の進出企業さんからアクセスが良くなることが、事業上の重要なメリットになると考えています。
―― 最後に、今後ダナン市への進出を検討されている日本企業にアドバイスをお願いします。
柳田:海外に進出すると、仕事とプライベートの両面で現地の日本人との交流が重要になると思います。この点、ダナン市の日本人コミュニティーは小さいながらも業種問わず交流が活発で、プライベートでも安心して楽しめる環境となっています。